(4)企業組合の従事分量配当に対する課税について

Question

中協法第9条においては、「組合の所得のうち、組合事業の利用分量に応じて組合が配当した剰余金の額に相当する金額については、その組合には、租税を課さない」と規定されているが、企業組合が中協法第59条第3項の規定により「組合員が企業組合の事業に従事した程度に応じて」配当した剰余金の額、いわゆる従事分量配当した剰余金の額に相当する金額に対しても、中協法第9条の規定が適用され、租税は課されないこととなるか。

Answer

企業組合の行う従事分量配当に対しては、中協法第9条の規定は適用されず、したがって租税が課されることとなる。
ただし、事業協同組合、信用協同組合及び協同組合連合会の収入は、その組合員又は会員に賦課した経費、あるいは事業を利用させることによって徴収した手数料等が主たる財源である。そこでこれらの組合が事業年度末において剰余金を生じたとすれば、その原因は経費、手数料等を余分に徴収したということになる。
組合は、その事業を行うことによって組合員の直接の奉仕をしなければならない(第5条第2項)法人であるから、かかる性格の剰余金は、本来組合員に属すべきであるので、これを利用分量に応じて配当することは、手数料の割戻しになり、利潤の分配ではない(経費の場合については、仮受金処理等別途の経理方法があるので、ここでは説明を省略する。)したがって中協法第9条で租税を課さない旨を規定し、これに対応して法人税第61条(各事業年度の所得の金額の計算)には、利用分量配当相当額を損金に算入する旨が規定されている。
しかしながら、企業組合にあっては、組合員は企業組合の事業に従事することを原則としており、組合事業は組合員を相手方として取引をするものではない。したがって企業組合の所得は、第三者を相手方とする純粋の事業活動によって生ずるものであるから、従事分量配当は手数料等の割戻しではなく、利潤の分配としての性格を持っているので、中協法第9条の趣旨とは全然別個のものである。

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