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○
中小企業団体の組織に関する法律(平成18年6月15日施行)
第二章の二 協業組合
(定款)
第 |
五条の十八 協業組合の定款には、次の事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 |
事業 |
二 |
名称 |
三 |
事務所の所在地 |
四 |
組合員となる資格に関する規定 |
五 |
組合員の加入及び脱退並びに持分の譲渡しに関する規定 |
六 |
出資一口の金額及びその払込みの方法 |
七 |
剰余金の処分及び損失の処理に関する規定 |
八 |
準備金の額及びその積立ての方法 |
九 |
議決権及び選挙権に関する規定 |
十 |
役員の定数及びその選挙に関する規定 |
十一 |
事業年度 |
十二 |
公告方法(協業組合が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。) |
|
2 |
協業組合の定款には、前項の事項のほか、協業組合の存続期間又は解散の原因を定めたときはその期間又はその原因を、現物出資をする者を定めたときはその者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える出資口数を、協業組合の成立後に譲り受けることを約した財産があるときはその財産並びにその価格及び譲渡人の氏名を記載し、又は記録しなければならない。 |
第三章 商工組合及び商工組合連合会
(定款)
第 |
四十三条 組合の定款には、次の事項(非出資組合にあつては、第七号、第九号及び第十号の事項を除く。)を記載し、又は記録しなければならない。
一 |
事業 |
二 |
名称 |
三 |
地区 |
四 |
事務所の所在地 |
五 |
組合員たる資格に関する規定 |
六 |
組合員の加入及び脱退に関する規定 |
七 |
出資一口の金額及びその払込みの方法 |
八 |
経費の分担に関する規定 |
九 |
剰余金の処分及び損失の処理に関する規定 |
十 |
準備金の額及びその積立ての方法 |
十一 |
役員の定数及びその選挙又は選任に関する規定 |
十二 |
事業年度 |
十三 |
公告方法(組合が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。以下この章において同じ。) |
|
2 |
組合の定款には、前項の事項のほか、組合の存続期間又は解散の原因を定めたときは、その期間又はその原因を記載し、又は記録しなければならない。 |
3 |
出資組合の定款には、前二項の事項のほか、現物出資をする者を定めたときはその者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える出資口数を、組合の成立後に譲り受けることを約した財産があるときはその財産、その価格及び譲渡人の氏名を記載し、又は記録しなければならない。 |
|
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○事業協同組合 絶対的必要記載事項
<第1項>
第1号 事業
組合の行為能力のうち、事業として行い得る範囲は中小企業等協同組合法第9条の2ないし第9条の10において定められている。これは制限列挙であり、組合はその全部又は一部を行うことができるが、これ以外の事業を行うことも、また、定められた事業の内容を逸脱して運営することも許されない。
したがって、事業の内容は具体的に記載する必要がある。実施の予定のない事業は規定せず、実施の段階になってから定款変更の手続をとり、規定することが適当である。
【記載例】
|
(事業)
第○条 本組合は、第1条の目的を達成するため、次の事業を行う。
(1)
|
組合員の取り扱う○○品(原材料を含む。以下同じ。)の共同生産
|
(2)
|
組合員の取り扱う○○品の共同加工
|
(3)
|
組合員の取り扱う○○品の共同販売
|
(4)
|
組合員の取り扱う○○品の共同購買
|
(5)
|
組合員の取り扱う○○品の共同保管
|
(6)
|
組合員の取り扱う○○品の共同運送
|
(7)
|
組合員の取り扱う○○品の共同検査
|
(8)
|
組合員の取り扱う○○品の共同受注
|
(9)
|
組合員の取り扱う○○品の共同宣伝
|
(10)
|
組合員の取り扱う○○品の市場開拓
|
(11)
|
組合員の事業に関する調査・研究
|
(12)
|
組合員の事業に関する○○の研究開発
|
(13)
|
組合員の新たな事業分野への進出の円滑化を図るための新商品若しくは新技術の研究開発又は需要の開拓
|
(14)
|
組合員のためにする共同労務管理
|
(15)
|
組合員に対する事業資金の貸付け(手形の割引を含む。)及び組合員のためにするその借入れ
|
(16)
|
商工組合中央金庫、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、銀行、信用金庫、信用協同組合に対する組合員の債務の保証又はこれらの金融機関の委任をうけてする組合員に対するその債権の取立て
|
(17)
|
組合員の○○事業に係る○○に関する債務の保証
|
(18)
|
組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結
|
(19)
|
組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上又は組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
|
(20)
|
中小企業倒産防止共済事業に関する受託業務
|
(21)
|
労働保険の保険料の徴収等に関する法律第4章の規定による労働保険事務組合としての業務
|
(22)
|
組合員のためにする○○に生ずる損害又は○○に生ずる障害をうめるための○○共済事業
|
(23)
|
組合員のためにする中小企業等協同組合法第9条の7の2第1項第1号に掲げる火災等の損害をうめるための共済事業
|
(24)
|
前2号の事業のほか、組合員の福利厚生に関する事業
|
(25)
|
組合員の寄託物についての倉荷証券の発行
|
(26)
|
組合員の取り扱う○○品についての前払式証票(商品券)の発行
|
(27)
|
前各号の事業に附帯する事業
|
2
|
前項第17号に掲げる債務保証事業の内容及び実施に関する事項は、規約で定める。
|
3
|
第1項第22号に掲げる共済事業及び第23号に掲げる火災等の損害をうめるための共済事業の内容及び実施に関する事項は、共済規程で定めるものとする。
|
4
|
第1項第23号の規定により火災共済契約を実施する場合は、共済契約者1人の共済金額の総額が、○○万円を超えてはならないものとする。
|
5
|
第1項第24号の規定により慶弔見舞金を給付する場合の給付金額は○○万円を超えてはならないものとする。
|
◆
|
実施を予定していない事業は記載しない
|
◆
|
事業の記載に当たっては、実施する共同事業の内容に即して明確な表現で具体的に列挙する
|
◆
|
建設工事業等にあっては、第1項第8号を「組合員の行う建設工事等の共同受注」と記載する
|
◆
|
第1項第12号の「○○」には、技術、製品、デザイン等を具体的に記載する
|
◆
|
第1項第16号の金融機関は、組合員の取引の実情に応じて加減する
|
◆
|
第1項第17号の「組合員の○○事業」には組合員たる資格に係る事業を、また、「○○に関する債務」には組合が保証する債務の内容を、それぞれ具体的に記載する
|
◆
|
第1項第22号、第23号の事業を実施する組合は、次の規定をおく
(共済金額の削減及び共済掛金の追徴)
第
|
○条の2 共済事業に損失を生じた場合であって、積立金その他の取崩しにより補てんすることができない場合は、総会の議決により共済金を削減し又は共済掛金を追徴することができるものとする。
|
2
|
共済金の削減は、損失金をその事業年度に支払う共済金総額と個々の共済契約者等に支払う共済金との割合により、個々の共済契約者に割り当てて行うものとする。
|
3
|
共済掛金の追徴は、損失金をその事業年度の各共済契約者より徴収する共済掛金の総額と各共済契約者より徴収する共済掛金との割合により、各共済契約者に割り当てて行うものとする。
|
|
◆
|
第1項第26号の( )内には、発行する前払式証票の具体的内容(商品券、プリペイド・カード等)を記載する
|
◆
|
第4項の規定は、共済契約者1人につき共済金額が30万円、第5項の規定は、給付事由毎に給付金額が10万円を超えない範囲内で記載する
|
◆
|
商店街協同組合等であって、組合員の取扱品の種類を列挙しがたいものは、第1項第1号から第10号まで及び第26号を次のように記載してもよい。
(1)組合員の取扱品(原材料を含む。以下同じ。)の共同販売
(2)組合員の取扱品の共同購買
(3)組合員の取扱品の共同保管
(4)組合員の取扱品の共同運送
(5)組合員の取扱品の共同宣伝
(6)組合員の取扱品の市場開拓
(7)組合員の取扱品についての前払式証票(商品券)の発行
◇
|
( )内には、発行する前払式証票の具体的内容(商品券、プリペイド・カード等)を記載する
|
|
◆
|
チケット発行事業を実施する組合にあっては、第1項中に次の1号を加える
○
|
組合員の取扱品の販売又は役務の提供のためのチケットの発行及びこれに関連する事業
|
なお、クレジット・カード又はサービス券の発行事業を行う組合にあっては「チケット」を「クレジット・カード」又は「サービス券」(サービス券の内容を特定する組合にあっては、「スタンプ」又は「ポイント・カード」等)と記載する。
|
|
第2号 名称
組合の組織実態が十分表れるように表示することが望ましい。一般的には、名称の中に組合の加入資格として定める事業を表示するほか、組合の行う事業を表示する場合もある。しかしながら、組合が法に基づくことを客観的に明らかにして他の団体との混同を避け、取引の安全を保護するため、組合の名称中に組合の種類ごとに一定の文字を用いることが義務づけられている。また、同一又は類似の名称は、禁止されている(法第6条)。
【記載例】
|
(名称)
第○条 本組合は、○○協同組合と称する。
|
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第3号 地区
地区を定める法律上の意味は、組合員資格にかかわる点と、所管行政庁を定める要素となる点にある。地区の表示は、現在の行政区画や住居表示を用いるべきである。
なお、地区は、組合が行おうとする事業、組合員の分布状況、組合員たる資格を持つ者の分布状況などにより、妥当な範囲を設定することが適当であり、多田理由もなく広い区域を地区とすることは不適当である。
【記載例】
|
(地区)
第○条 本組合の地区は、○○の区域とする。
|
第4号 事務所の所在地
事務所の所在地は、主たる事務所及び従たる事務所のすべてについて記載しなければならない。
主たる事務所は、地区内において組合事業の中心となるべき適当な場所を選定することが必要である。
従たる事務所とは、組合事業の部分的中心として債務履行地その他の必要性から従たる事務所として登記したものをいう。
なお、所在地は最小行政区画までを記載すればよく、登記の場合のように番地まで掲げる必要はない。
【記載例】
|
(事務所の所在地)
第○条 本組合は、事務所を○○市(町村)に置く。
◆従たる事務所を置く場合の記載例
(事務所の所在地)
第○条 本組合は、主たる事務所を○○市(町村)に、従たる事務所を○○市(町村)に置く。
|
第5号 組合員たる資格に関する規定
組合員たる資格は、疑義紛争が起こらないよう明確、かつ、具体的に限定し、また加入の見込みのない者は規定しないことが必要である(法第8条)。
具体的には、業種や規模、取引先の分野(例えば、特定の系列に属する者)等を定めることが考えられる。組合員たる資格の規定は、思想信条などの非経済的条件を規定することは望ましくなく、経済的な条件に限るべきである。
【記載例】
|
(組合員の資格)
第
|
○条 本組合の組合員たる資格を有する者は、次の各号の要件を備える小規模の事業者とする。
(1)○○品の生産を行う事業者であること
(2)組合の地区内に事業場を有すること
(3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・
|
◆
|
事業協同小組合の団体加入を認める組合の記載例
(組合員の資格)
第
|
○条 本組合の組合員たる資格を有する者は、次の各号の一に該当する者とする。
|
|
(1)○○品の生産を行う小規模の事業者であって、組合の地区内に事業場を有すること
(2)前号の事業者で組織する事業協同小組合
|
|
◆
|
「○○品の生産」とあるのは、資格事業が加工業のときは「○○品の○○加工」と、資格事業が商業のときは「○○品の○○販売」と、資格事業がサービス業のときは役務の種類に応じ具体的に書き替える。
|
◆
|
商店街協同組合の記載例
(組合員の資格)
第
|
○条 本組合の組合員たる資格を有する者は、小売業又はサービス業を行う小規模の事業者であって、組合の地区内に事業場を有する者とする。
|
|
◆
|
組合員資格は、組合組織の基本的な問題であるから、将来疑義が生じないよう明確に規定する。
|
|
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第6号 組合員の加入及び脱退に関する規定
組合員の加入脱退については、法第14条ないし第20条の規定を受けて、加入の申込み及び承諾の方法、加入金、相続加入の手続、除名原因及びその手続、脱退者に対する持分払戻などについて規定しなければならない。
【記載例】
|
(加入)
第
|
○条 組合員たる資格を有する者は、本組合の承諾を得て、本組合に加入することができる。
|
2
|
本組合は、加入の申込みがあったときは、理事会においてその諾否を決する。
|
(加入者の出資払込み)
第
|
○条 前条第2項の承諾を得た者は、遅滞なく、その引き受けようとする出資の全額の払込みをしなければならない。ただし、持分の全部又は一部を承継することによる場合は、この限りでない。
|
◆
|
本条は、持分の計算について改算方式をとる組合で脱退者の持分の払戻しについて各組合員の出資額を限度とする組合及び持分の計算について加算方式をとる組合の規定である。
持分の計算について改算方式をとる組合で脱退者の持分の払戻しについて全額払戻し又は各組合員の出資額以上を払い戻す組合にあっては、本条の見出しを「(加入者の出資払込み及び加入金)」と改め、第2項、第3項を追加する。
(加入者の出資払込み及び加入金)
第
|
○条 前条第2項の承諾を得た者は、遅滞なく、その引き受けようとする出資の全額の払込みをしなければならない。ただし、持分の全部又は一部を承継することによる場合は、この限りでない。
|
2
|
前項本文の加入者からは、加入金を徴収することができる。
|
3
|
加入金の額は、総会において定める。
|
|
◆
|
分割払込制をとる組合にあっては、第1項本文中「出資の全額の払込み」とあるのは、「出資口数に応じ、他の組合員の払込済出資額と同額の払込み」と書き替えること。
|
(相続加入)
第
|
○条 死亡した組合員の相続人で組合員たる資格を有する者の1人が相続開始後30日以内に加入の申出をしたときは、前2条の規定にかかわらず、相続開始のときに組合員になったものとみなす。
|
2
|
前項の規定により加入の申出をしようとする者は、他の相続人の同意書を提出しなければならない。
|
(自由脱退)
第
|
○条 組合員は、あらかじめ本組合に通知したうえで、事業年度の終わりにおいて脱退することができる。
|
2
|
前項の通知は、事業年度の末日の90日前までに、その旨を記載した書面でしなければならない。
|
◆本条の日数は、90日以上1年以内の範囲内で適宜記載。
(除名)
第
|
○条 本組合は、次の各号の一に該当する組合員を除名することができる。この場合において、本組合は、その総会の会日の10日前までに、その組合員に対しその旨を通知し、かつ、総会において、弁明する機会を与えるものとする。
(1)長期間にわたって本組合の事業を利用しない組合員
(2)出資の払込み、経費の支払いその他本組合に対する義務を怠った組合員
(3)本組合の事業を妨げ、又は妨げようとした組合員
(4)本組合の事業の利用について不正の行為をした組合員
(5)犯罪その他信用を失う行為をした組合員
|
(脱退者の持分の払戻し)
第
|
○条 組合員が脱退したときは、組合員の本組合に対する出資額(本組合の財産が出資の総額より減少したときは、当該出資額から当該減少額を各組合員の出資額に応じて減額した額)を限度として持分を払い戻すものとする。ただし、除名による場合は、その半額とする。
|
◆
|
本条は、持分の計算について改算方式をとる組合で脱退者の持分の払戻しについて各組合員の出資額を限度とする組合の規定である。
|
◆
|
分割払込制をとる組合の記載例
(脱退者の持分の払戻し)
第
|
○条 組合員が脱退したときは、組合員の本組合に対する払込済出資額(本組合の財産が払込済出資総額より減少したときは、当該払込済出資額から当該減少額を各組合員の払込済出資額に応じて減額した額)を限度として持分を払い戻すものとする。ただし、除名による場合は、その半額とする。
|
|
◆
|
持分の計算について全額払戻しを行う組合の記載例
(脱退者の持分の払戻し)
第
|
○条 組合員が脱退したときは、その持分の全額を払い戻すものとする。ただし、除名による場合は、その半額とする。
|
◇
|
分割払込制をとる組合にあっては、第2項として次の規定を加える。
2
|
本組合の財産をもって、本組合の債務を完済するに足りないときは、脱退した組合員は、その出資口数に応じ、未払込出資額を限度として、損失額の払込みをしなければならない。
|
|
|
◆
|
各組合員の出資額を限度とする方法以外の方法により持分の一部の払戻しを行う組合にあっては、払戻額の内容に応じて適宜記載する。
ただし、これらの組合にあっては、各組合員の出資額(組合の財産が出資の総額より減少したときは、当該出資額から当該減少額を各組合員の出資額に応じて減額した額)を払戻額の下限とする。
|
|
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第7号 出資一口の金額及びその払込の方法
出資一口の金額は、組合の事業の内容及び規模並びに組合員の出資能力等から判断して決めるべきであるが、端数のないようにすることが適当である。
払込の方法は、全額払込制又は分割払込制の別その他の方法を記載するが、第1回の払込については、法第29条の制限に従う必要がある。なお、分割払込制をとる場合における第2回以後の払込方法は、適宜定めて記載すればよい。
【記載例】
|
(出資1口の金額)
第○条 出資1口の金額は、○○円とする。
◆
|
出資1口の金額は、組合の事業規模等を考慮して適宜定める
|
◆
|
出資最低口数を設ける組合の記載例
(出資1口の金額及び最低出資口数)
第○条 出資1口の金額は、○○円とする。
2 組合員は、○口以上を持たなければならない。
|
(出資の払込み)
第○条 出資は、一時に全額を払い込まなければならない。
◆
|
分割払込制をとる組合の記載例(この場合において、出資第1回の払込金額は、1口につき、その金額の4分の1を下らないようにする)
(出資の払込み)
第
|
○条 出資第1回の払込金額は、1口につき○○円とする。
|
2
|
出資の払込みは、払込みの金額、期日及び方法を記載した書面を各組合員に発してするものとする。
|
3
|
本組合は、組合員が出資の払込みを終わるまでは、その組合員の払込済出資額に応じて配当すべき剰余金をその払込みに充てることができる。
|
|
|
第8号 経費の分担に関する規定
経費の賦課及び徴収の方法は、総会の議決事項となっているから、定款では、経費を分担させるかどうか、分担させる場合の額、徴収の時期及び方法等の決定の方法(分担させない場合はその旨)等の分担に関する基本的事項を記載しなければならない。
なお、火災共済協同組合、同連合会及び企業組合は、経費の賦課徴収が認められないので、この記載は必要ない。
【記載例】
|
(経費の賦課)
第
|
○条 本組合は、その行う事業の費用(使用料又は手数料をもって充てるべき者を除く。)に充てるため、組合員に経費を賦課することができる。
|
2
|
前項の経費の額、その徴収の時期及び方法その他必要な事項は、総会において定める。
|
◆
|
共済事業(付帯事業を含む。)のみを行う組合は、本条を削除する
|
◆
|
共済事業と経済事業を兼業する場合の記載例
(経費の賦課)
第
|
○条 本組合は、その行う事業(共済事業を除く。)の費用(使用料又は手数料をもって充てるべきものを除く。)に充てるため、組合員に経費を賦課することができる。
|
2
|
前項の経費の額、その徴収の時期及び方法その他必要な事項は、総会において定める。
|
|
|
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第9号 剰余金の処分及び損失の処理に関する規定
法第58条から第60条までの規定に基づいて、剰余金の内部留保(準備金、積立金、繰越金等)、剰余金の配当、損失填補のために内部留保金の取り崩し順位等について具体的に記載しなければならない。
第10号 準備金の額及びその積立の方法
法第58条第1項に規定する準備金額及び積立率について、具体的に規定することが必要である。
【記載例】
|
(法定利益準備金)
第
|
○条 本組合は、出資総額の2分の1に相当する金額に達するまでは、毎事業年度の利益剰余金(ただし、前期繰越損失がある場合には、これをてん補した後の金額。以下、第(特別積立金)条及び第(法定繰越金)条において同じ。)の10分の1以上を法定利益準備金として積み立てるものとする。
|
2
|
前項の準備金は、損失のてん補に充てる場合を除いては、取り崩さない。
|
◆
|
共済事業を実施する組合は、本条中の「出資総額の2分の1に相当する金額」を「出資総額に相当する金額」に、「10分の1以上」を「5分の1以上」に書き替える
|
(資本準備金)
第
|
○条 本組合は、減資差益(第(脱退者の持分の払戻し)条ただし書の規定によって払戻しをしない金額を含む。)は、資本準備金として積み立てるものとする。
|
◆
|
これは、持分の計算について改算方式をとる組合で脱退者の持分の払戻しについて各組合員の出資額を限度とする組合及び持分の計算について加算方式をとる組合の規定である。
それ以外の持分払戻し方法をとる組合については、本条を次のように記載する。
(資本準備金)
第
|
○条 本組合は、加入金、増口金及び減資差益(第(脱退者の持分の払戻し)条ただし書の規定によって払戻しをしない金額を含む。)は、資本準備金として積み立てるものとする。
|
|
◆
|
分割払込制をとる組合にあっては、本条中「第(脱退者の持分の払戻し)条」とあるのは「第(脱退者の持分の払戻し)条第1項」と書き替える。
|
(特別積立金)
第
|
○条 本組合は、毎事業年度の利益剰余金の10分の1以上を特別積立金として積み立てるものとする。
|
2
|
前項の積立金は、損失のてん補に充てるものとする。ただし、出資総額に相当する金額を超える部分については、損失がない場合に限り、総会の議決により損失のてん補以外の支出に充てることができる。
|
(法定繰越金)
第
|
○条 本組合は、第(事業)条第1項第(教育情報事業)号の事業(教育情報事業)の費用に充てるため、毎事業年度の利益剰余金の20分の1以上を翌事業年度に繰り越すものとする。
|
(配当又は繰越し)
第
|
○条 毎事業年度の利益剰余金(毎事業年度末決算において総益金から総損金を控除した金額)に前期の繰越利益又は繰越損失を加減したものから、第(法定利益準備金)条の規定による法定利益準備金、第(特別積立金)条の規定による特別積立金及び前条の規定による法定繰越金を控除してなお剰余があるときは、総会の議決によりこれを組合員に配当し、又は翌事業年度に繰り越すものとする。
|
(配当の方法)
第
|
○条 前条の配当は、総会の議決を経て、事業年度末における組合員の出資額、若しくは組合員がその事業年度において組合の事業を利用した分量に応じてし、又は事業年度末における組合員の出資額及び組合員がその事業年度において組合の事業を利用した分量に応じてするものとする。
|
2
|
事業年度末における組合員の出資額に応じてする配当は、年1割を超えないものとする。
|
3
|
配当金の計算については、第(持分)条第2項(持分)の規定を準用する。
|
◆
|
分割払込制をとる組合にあっては、第1項、第2項中「出資額」とあるのは「払込済出資額」と書き替え、第3項を第4項とし、第2項の次に次の1項を加える。
3
|
払込済出資額に応じてする配当金は、組合員が出資の払込みを終わるまでは、その払込みに充てるものとする。
|
|
(損失金の処理)
第
|
○条 損失金のてん補は、特別積立金、法定利益準備金、資本準備金の順序に従ってするものとする。
|
(職員退職給与の引当)
第
|
○条 本組合は、事業年度ごとに、職員退職給与に充てるため、退職給与規程に基づき退職給与を引き当てるものとする。
|
|
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第11号 役員の定数及びその選挙又は選任に関する規定
役員の定数は、第35条の規定に基づき、理事及び監事の別に確定数を記載することを要する。「○○人以上○○人以内」との規定の確定数として扱われるが、その幅は小さくすることが必要である。
選出方法については、選挙の場合にあっては、選挙の場合にあっては、単記式か連記式の別、被選挙資格、すなわち組合員相互か、立候補ないし、推薦候補者によるかの方法を、また、選任の方法による場合にあっては、候補者の選び方、議決の方法等を記載することを要する。
なお、選挙又は選任についての細則は、別に選挙又は選任規約として定めることが適当である。
【記載例】
|
(役員の定数)
第
|
○条 役員の定数は、次のとおりとする。
(1)理事 ○人以上○人以内
(2)監事 ○人以上○人以内
|
◆
|
理事の定数は3人以上、監事の定数は1人以上であるが、単に「○人以上」又は「○人以内」と記載しないこと。
|
◆
|
定数の上限と下限の幅は、できるだけ少なくする
|
◆
|
定数の上限と下限の差が1名のときは、「○人又は○人」と記載する
|
(役員の選挙)
第
|
○条 役員は、総会において選挙する。
|
2
|
役員の選挙は、連記式無記名投票によって行う。
|
3
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有効投票の多数を得た者を当選人とする。ただし、得票数が同じであるときは、くじで当選人を定める。また、当選人が辞退したときは、次点者をもって当選人とする。
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4
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第2項の規定にかかわらず、役員の選挙は、出席者全員の同意があるときは、指名推選の方法によって行うことができる。
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5
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指名推選の方法により役員の選挙を行う場合における被指名人の選定は、その総会において選任された選考委員が行う。
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6
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選考委員が被指名人を決定したときは、その被指名人をもって当選とするかどうかを総会にはかり、出席者の全員の同意があった者をもって当選人とする。
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◆
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役員の選挙について指名推選の方法をとらない組合であって、候補者制をとるものは、本条を次のように記載する。
ただし、員外役員を認めない場合にあっては、第1項第2号の規定を削除する。
また、指名推選の方法をとらない組合であって、候補者制をとらないものは、第1項を「役員は、総会において選挙する」と書き替えるとともに、第4項、第5項及び第6項の規定を記載しないこと。
(役員の選挙)
第
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○条 役員は、次に掲げる者のうちから、総会において選挙する。
(1)
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組合員又は組合員たる法人の役員であって、立候補し、又は理事会若しくは○人以上の組合員から推薦を受けた者
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(2)
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組合員又は組合員たる法人の役員でない者であって、理事会若しくは○人以上の組合員から推薦を受けた者
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◇推薦制をとる場合にも立候補制を併用する
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2
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役員の選挙は、連記式無記名投票によって行う。
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3
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有効投票の多数を得た者を当選人とする。ただし、得票数が同じであるときは、くじで当選人を定める。また当選人が辞退したときは、次点者をもって当選人とする。
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4
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第1項の規定による立候補者又は推薦を受けた者の数が選挙すべき役員の数を超えないときは、投票を行わず、その者を当選人とする。
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◇
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投票を単記式によって行う組合にあっては、第2項中「連記式無記名投票」とあるのは「単記式無記名投票」と書き替える
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◇
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役員の選出につき選任の方法をとる組合にあっては、本条を次のように記載する
(役員の選任)
第
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○条 役員の選任は、総会の議決による。
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2
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前項の議決は、推薦会議において推薦された者(以下「候補者」という。)について行う。
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3
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推薦会議は、別表に掲げる地域毎に同表に掲げる人数の推薦委員をもって構成する。
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4
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推薦委員は、前項の地域に属する組合員を代表するものとして当該地域に属する組合員の過半数の承認を得て選出する。
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5
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推薦会議が役員の候補者を決定する場合は、その構成員の過半数が出席し、その3分の2以上の多数の賛成がなければならない。
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6
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第1項の議決は、無記名投票によって行う。ただし、総会において出席者の議決権の3分の2以上の多数による議決により投票以外の方法を定めた場合はその方法による。
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7
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2人以上の理事又は監事を選任する場合にあっては、第1項の議決は、候補者を区分して行ってはならない。
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8
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役員の選任に関する事項は、本条で定めるもののほか規約で定める。
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■
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推薦会議の構成員は、「地域」によるほか「業種」「規模」等組合員を適切に代表しうる妥当な基準に基づき定款で定める区分毎に選出してよい。
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■
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総代会を置く組合にあっては、「総会」とあるのは「総代会」と、「組合員」とあるのは「総代」と書き替えるものとし、総代の選挙の際に基礎となる別表に掲げる地域等の区分又はそのいくつかを統合した区分毎に選出してもよい。
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■
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推薦会議の構成員を選挙により選出する組合にあっては、「当該地域に属する組合員の過半数の承認を得て選出する」を「当該地域に属する組合員による選挙により選出する」と書き替えるものとする。
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第12号 事業年度
組合の決算の関係から事業年度の期間を定めなければならない。その期間は、組合の性格や行う事業などを考慮して定めてよい。
なお、信用協同組合及び同連合会については、協金法第5条により、事業年度は4月から翌年3月までと規定されているので、組合の意思によって、これ以外の事業年度を設定することはできない。
【記載例】
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(事業年度)
第
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○条 本組合の事業年度は、毎年○月○日に始まり、翌年△月△日に終わるものとする。
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第13号 公告方法
公告方法については、平成9年の商法改正に伴う中協法の改正により、第69条が改正され、商法改正により商法第421条第1項に付け加えられた「官報ヲ以テ公告」を中協法では「公告」と読み替えることとされた。これは、株式会社の公告方法についての明確な規定を商法が持っていなかったことから、株式会社、弁護士法人等の公告方法を官報に限定する一方、その他の業法に基づく組織における公告方法については制限を設けないこととされたものである。
第69条の改正は、組合の公告の方法について、特段の限定をしないことを規定したものである。
組合の解散の公告の方法を官報に限定しないこととしたのであるから、法に定めがある場合を除き、組合の公告方法は自由である。組合事務所に掲示し、また、必要があるときは新聞に掲載することでよい。
今回、本条に第4項から第8項が新設され、組合の公告方法として、第4項本文の「組合事務所の店頭に掲示する方法」のほか、「官報」、「時事に関する記事を掲載する日刊新聞紙」及び「電子公告」が示された。
電子公告は、平成16年の商法改正により創設されたもので、今回の会社法によって創設されたものではない。
電子公告は、会社法第2条第34号に規定されている電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるもの)とされている。
会社法施行規則(法務省令)第6条は、電子公告を行うための電磁的方法について、送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信装置の用に供する部分に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する装置)を使用する方法としている。
本条では、電磁的方法(会社法第2条第34号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法とされている。
すなわち、組合の電子公告は、公告すべき内容を組合のインターネットホームページに掲載してする方法であり、電子公告を公告方法とする場合には定款にその旨を定め、公告ホームページのアドレスを登記し、公告期間中、公告ホームページに公告内容が掲載されているかどうかについての調査機関の調査を受ける必要がある(調査結果通知書が登記申請の際の添付書類となる。)。
なお、官報については、現在、紙の官報と同一内容のものが独立行政法人国立印刷局のインターネットホームページ上に掲載されているが、電子官報は電子公告に当たらない。これは、電子官報は紙の官報に附属するものと取り扱われており、無料で電子官報を閲覧できる「官報閲覧サービス」は、当日を含む1週間分の内容に限られている等の点において、電子公告と同等のものとはいえないからである。官報閲覧サービスのほかに、「官報検索サービス」があるが、これは昭和22年5月3日以降発行の官報について、目次及び記事の検索機能を持つが、有料である点で電子官報とは異なる。
【記載例】
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(公告方法)
第○条 本組合の公告は、本組合の掲示場に掲示してする。
◆
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公告方法については、組合の掲示場に掲示する方法に加え、官報、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙、電子公告のいずれかの方法によることができる。
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◆
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電子公告を公告方法とする場合には、法務大臣の登録を受けた調査機関の調査を受けなければならず、その料金を負担する必要があるが、官報公告と併せて行うことにより、債権者保護手続が要求される場合に個別催告の省略が認められる。また、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法についても記載しておく必要がある。
電子公告を公告方法とする場合には、本条を次のように記載する。
(公告方法)
第
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○条 本組合の公告は、電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法は、官報に掲載する方法とする。
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◆
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掲載する新聞の発行地を特定する場合の記載例
(公告方法)
第
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○条 本組合の公告は、○○県(都道府)において発行する○○新聞に掲載してする。
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<第2項>
第 |
14号 火災共済金額又は再共済金額の削減及び共済掛金又は再共済料の追徴に関する事項 |
火災共済協同組合及び同連合会にあっては、第1〜13号のうち、第8号以外の事項を記載するとともに、この事項についても記載しなければならない。
【記載例】
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(共済金額の削減及び共済掛金の追徴)
第
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○条の2 共済事業に損失を生じた場合であって、積立金その他の取崩しにより補てんすることができない場合は、総会の議決により共済金を削減し又は共済掛金を追徴することができるものとする。
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2
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共済金の削減は、損失金をその事業年度に支払う共済金総額と個々の共済契約者等に支払う共済金との割合により、個々の共済契約者に割り当てて行うものとする。
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3
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共済掛金の追徴は、損失金をその事業年度の各共済契約者より徴収する共済掛金の総額と各共済契約者より徴収する共済掛金との割合により、各共済契約者に割り当てて行うものとする。
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