(4)組織変更の際の解散登記等について

Question

事業協同組合や企業組合が協業組合に組織変更した場合、その事業協同組合や企業組合の解散登記をする必要があるか。なお、解散登記が必要な場合は清算人を選任しなければならないか。

Answer

一定の要件を備えた事業協同組合、事業協同小組合及び企業組合は、組織を変更して協業組合になることができるが、この組織変更というのは、事業内容、運営など目的やあり方が異なる別の種類の法人に、解散、設立という手続を要しないでなれることであり、協業組合になっても法律上同一の人格が事業協同組合等から継続されることである。
普通、別の種類の組合になるためには、それまでの組合を解散し清算してから、改めて新規の設立手続をしなければならないわけであるが、それでは無駄な費用と手続がかかり、そのうえ一時事業を中止しなければならないので、その弊を避けるために、特別の場合に限って組織変更という制度が設けられており、現在協業組合への組織変更のほか、事業協同組合と商工組合相互間の組織変更が認められ、また会社では、株式会社と有限会社相互間及び合資会社と合名会社相互間の組織変更が認められている。
したがって、組織変更の場合は解散、設立という手続を要しないから、清算することも必要でなく清算人を選任しなくてもよいことになる。
しかし、登記については、中団法において組織変更の登記をすべきことを規定しており、(第98条の2)、また登記が組織変更の効力発生要件ともなっている(第95条第6項)。したがって、実際に解散が行われなくても、事業協同組合等においては解散の登記をしなければならないと同時に、協業組合においても設立の登記を行わなければならないこととなっている。
なお、この登記手続について若干紹介すると、組織変更の認可の日から2週間以内に、解散と設立の登記を同時に申請する必要があり、添付書類については、解散登記の場合は組織変更のあった総会の議事録及び認可書、設立登記の場合は定款、認可書、総会等の議事録(代表理事選任を証すべき書面として添付する)、出資総口数を証する書面、その他通常の解散、設立の登記と同様の書面を添付することとなっている。この場合、解散、設立の両方の登記を同時に申請するので認可書などが重複することがあるが、その場合は、「設立登記申請書添付の書面を援用する」と付記すれば、重複する書面の添付を省略することができる。また、代表理事、出資総口数等が組織変更の際変動がなかった場合は、「〇〇の書面は〇〇協同組合の登記簿の記載を援用する。」と申請書に付記すれば、代表理事の資格を証する書面としての総会の議事録等の添付を省略することができる。なお、組織変更の際代表理事に変更があった場合は、解散の登記の申請は、新たに選任された協業組合の代表理事が行うこととなっている。

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