8.規約・規定の形式

 規約・規程は、対象とする事項ごとに、できるだけ別個に作成することが望ましく、すべての事項について総合的、包括的に「〇〇組合規約」又は「〇〇組合規程」といったように設定することは望ましくない。したがって、事業規約ならば各種事業ごとに「〇〇事業規約」又は「〇〇事業利用規約」といったように独立した規約・規程を作成すべきである。
 規約・規程の構成は、法令、定款等にならって、一般的総則規定からはじめて、中心的、具体的事項に関する規定を軸に、最後に補足的、補充的規定で終えることになる。
 また、各条文は、同一事項に関するもののみでまとめ、一つの条文に異なった内容のものを併合させることのないように注意しなければならない。また、編、章、節、款を設けた場合は、各編、章、節、款ごとに題名をつけ、それぞれの内容が一目見て判断できるようにし、各条文にもそれぞれ見出しをつけて、理解、納得のためだけでなく、索引にも便利になるようにすることと、文書化に当たっては、横書きにするのが望ましい。

(1)題 名
   規約・規定の題名は、その内容を簡潔にしかも的確に示すものでなければならない。その
  場合、題名と併せて、主題部右上にその規約・規程が設定あるいは変更された年月日を必ず
  明記することが望ましい。題名は4字目から書き出し、それが2行以上にわたるときは1行
  目と初字をそろえる(記載例1)。

(2)目 次
   規約・規程について章、節等の区分をした場合には、必ず題名のすぐ次にその章節等の目
  次をつけるのが望ましい。目次には、目次の章名(章を更に節、款等に小区分したときには、
  その最小単位の節名、款名等)の次にその章、節、款等に属する条文の範囲を(第〇条~第
  〇条)というように、かっこ書きして記載する。その章、節、款等に属する条文が一つしか
  ない場合はもちろんその1条だけを掲げ、条文が2つだけの場合には(第〇条・第〇条)と
  いうように「・」でその間をつないで書く。付則については、それが条になっている場合で
  も、項に分かれている場合でも、それらの条文を示すかっこ書きはつけなくてよい
  (記載例1)。

[記載例1]
  □□□共同生産事業
  □□□規約 平成〇年〇月〇日制定
  平成〇年〇月〇日改正

 目  次

 □第1章□総 則(第1条・第2条)

 □第2章□施設の管理(第3条~第11条)

 □第3章□利用方法(第12条~第25条)

 □第4章□雑 則(第26条~第28条)

 □付 則

 □□□第1章□総 則

 

 

(3)章、節等の区分と配字
   規約・規程の条文数が相当に多く、かなり長いものとなる場合には、これを「第1章〇〇」、
  「第2章〇〇」というように内容の共通する条文を何ヵ条かずつにまとめて章にするのがよい。
  もし章の区分だけでは足りず、更に細分する必要がある場合には「節」、節を更に細分化する
  場合には「款」、款を更に細分化する場合には「目」に区分する。なお、法令などでは、大法
  典になると章の上に「編」といった大区分が置かれることがあるが、組合の規約・規程につい
  ては、このような大区分の必要はほとんどないし、また小区分の方もせいぜい章、節の区分に
  とどまり、款、目までの細分は必要ないであろう。
   このように規約・規程の条文をいくつかの章、節等に区分した場合、それらの配字は次のよ
  うにする(記載例2)。まず「章」は、「第1章〇〇」という字句の第1字(事例の場合は
  「第」)を初字の4字目から書き出す。「第〇節」という場合にはこれより1字下がって5字
  目から、「款」は更に1字下がって6字目から、「目」は更に下がって7字目からそれぞれ書
  き出す。あまり用いることはないが、「第〇編」という場合は、章より1字上がって第3字目
  から書き出す。なお、このような章、節の区分は、本則についてのみ行われ、付則をこのよう
  な章、節等に区分することはしない。
   各条文は第1字目から書き始める。項、号については、第1項には特に項数を示すための数
  字をつける必要はなく、条文の字句の後に1字をあけて2字目から書き始めればよい。第2項
  以下は、その項数を示す数字(2、3・・・・)を第1字目に置き、以下1字あけて3字目か
  ら本文を書き始める。号の場合は、その号数を示す数字をかっこ書きして((1)、(2)・
  ・・・)、第2字目から書き始める。本文はいずれも1字あけて書き出し、2行以上にわたる
  ときは2字目から書き始めればよい。
   句読点については、各条文の終わりに句点「。」をつけるが、号の場合には、終わりの字句
  が名詞形で終わるときには句点をつけない。ただし、最後の字句が「・・・・すること」、
  「・・・・するとき」で終わる場合や名詞形の字句の後に更にただし書き等の文章が続く場合、
  動詞系で終わる場合等には句点をつける。なお読点「、」については、条文によっては後にく
  る文章との関連で、どのように続くかにより、その結果に重大な相違をもたらすこととなるこ
  とも考えられるので、その使用は慎重にすること。

〔記載例2〕

 □□□第1章□総 則

 □□□□第1節□通 則

 □□□□□第1款□事 業

 (目  的)
 第1条 この規約は、本組合が定款第〇条第〇号に掲げる事業(以下「共同購買事業」と
  いう。)を行うに必要な手続、方法その他の事項について定め、もって共同購買事業の
  円滑な運営を図ることを目的とする。

 (購買品目)
 第2条 本組合は、次に掲げるものを共同購買する。
 (1)〇〇〇〇
 (2)〇〇〇〇

 (供給品及び委託品)
 第3条 前条第〇号に掲げるものは、本組合であらかじめ購買し、組合員の申込みに応じ
  て供給する(以下「供給品」という。)。
 2 前条第〇号に掲げるものは、組合員の委託により購買し、供給する(以下「委託品」
  という。)。

 

 

(4)見出し
   法令、定款と同様に組合の規約・規程についても、その各条文に見出しをつけることが望ま
  しい。そうすると規約・規程の理解を容易にし、必要な条文の検索引用に便利である。見出し
  は、各条文ごとにつけるのが普通であるが、連続する2つ以上の条文が、同じ部門に属する事
  項を規定している場合には、その数ヵ条をまとめてその一番はじめの条文に見出しをつけるこ
  ともある。この場合の見出しは、その直後の1条に付着しているものではなく、その数ヵ条に
  付着するものだと考えられており、このことは見出しを改廃する場合に1条ごとの見出しの場
  合と若干異なった取扱いとなる。
   見出しは、その条文に規定している内容を最も簡潔に要約して掲げることが必要である。各
  条文の要点を短い言葉に要約することは、なかなか容易なことではなく、技術的に困難な場合
  も少なくないが、簡明な見出しの表示は、あとで利用する場合に便利であり、その価値は大き
  い。見出しは、検索の便という点から考えて、それぞれの条文の左上にかっこ書きしてつけ、
  第1字目から書き始める(記載例3)。
   なお、条文改正に当たって見出しを改正する場合には、改正する旨の文章に「見出し(〇〇
  〇〇〇)を」と特にことわる必要はなく、単に当該条文について「第〇条を」とすればよい。
  もっとも条文はそのままに、見出しだけを削ったり追加したりする場合には、その旨を特記し
  なければならない。

〔記載例3〕

 (目 的)
 第1条 この規約は、本組合が定款第〇条第〇号に掲げる事業(以下「共同購買事業」とい
  う。)を行うために必要な手続、方法その他の事項について定め、もって共同購買事業の
  円滑な運営を図ることを目的とする。

 

 

(5)本則と付則
   規約・規程も厳密には本則と付則とで構成される。本則とは、付則以外の部分のことであっ
  て、規約・規程の本体的部分をなすものである。付則とは、この本則に付随して、規約・規程
  の施行期日、その規約・規程の適用関係、既存の規律関係と本則に定められた新しい規律関係
  との間の結びつきとが調整の関係、既存の他の規約・規程でその新しい規約・規程と矛盾抵触
  するものを直すための既存の規約・規程の改廃措置等を定める付帯的部分のことである。この
  ような付則の部分は、本則と区別して、そのはじめに必ず「付則」という表示をして、そこか
  ら付則になることを明らかにする。付則を本則と通じて章節等の区分で処理することは許され
  ない。付則という文字の書き方は、第4字目に「付」の字を置き、1字あけて「則」の字を書
  くこととする(記載例4)。
   本則の部分については、どこが本則であるかを示す表示はしないが、第1条から付則という
  表示のある直前までが本則である。このように本則という表示はないが本則という概念はある
  から、付則や他の規約・規程で本則の部分を「本則第〇条」というように引用することは差し
  支えない。なお、「付則」区別すべきものに「補足」があるが、これは本則中の補充的規定あ
  るいは雑則的規定を定める部分の章、節等の標題として用いられる。
   付則の条項については、規定の内容が相当に複雑な場合はともかく、それが比較的簡単な場
  合は「条」に区分せず、「項」だけに区分して書けばよい。なお、「条」に分ける場合に、本
  則と通しの条名をつけるやり方(この方法によれば本則が第31条までで終わっているときの
  付則の第1条は、第32条となる。)と、付則は付則で「第1条」、「第2条」というように
  新しく条名を起していくやり方とあるが、付則と本則の差異を明確にする点から考えて、後者
  の方が適当である。

〔記載例4〕

 □□□付 則
  1 本規約は、平成〇年〇月〇日から施行する。
  2 本規約の施行により、平成○年○月○日施行の共同購買事業規約は、平成〇年〇月〇日を
   もってその効力を失う。

 

 

(6)条・項・号
   組合の規約・規程の条文は、その内容が極めて簡単で「条」に分けるまでも内場合を除き、
  通例「第1条」、「第2条」と条に区分する。1つの条の中で区切りをつける必要のある場
  合は、別行を起こして次を書き出す。この条の中で、別行で区分される段落を、「項」とい
  う。しかし、1つの条の中に項が数多くある場合は、「項」が第何項に当たるかを調べるの
  に手間がかかるから、第2項以下の項の頭に算用数字で2、3、4と項番号をつけて、その
  項が第何項に当たるかがすぐわかるようにする。
   ただし、この項番号は、あくまでも項の順番を探し出すための便宜のためにつけるもので
  あるから、項のうちの第1項に当たる部分には、「1」という項番号はつけないことになっ
  ている。
   条、項の中で、いくつかの事項を列記的に並べて規定する必要のある場合は、(1)、
  (2)、(3)、(4)というように、かっこ書きした番号をつけて列記するが、これを
  「号」という。号の数字は、上記のようにかっこでくくって、条の第1字目から1字下りに
  配字する。
   号を更にいくつかの列記事項に細分化する必要のある場合は、イ、ロ、ハ等に区分して列
  記する。

〔記載例5〕
 (施 設)
 第2条 本規約の目的となる共同施設は、次のものをいう。
 (1)共同保管倉庫
 (2)共同駐車場
 (3)〇〇〇〇
   イ 〇〇〇〇
   ロ 〇〇〇〇

 

 

(7)用 字
   組合の規約・規程に使用する用字については、昭和56年10月1日付内閣訓令第1号「常
  用漢字表の実施について」が定められたことに伴い、次のような基準によるのが望ましい。
  ① 使用する文字は、「常用漢字表」(昭和56年10月1日内閣告示第1号)の本表及び
   付表によること。なお、字体については、通用字体を用いること。

  ② 「常用漢字表」の本表に掲げる音訓によって語を書き表すにあたっては、次の事項に留
   意すること。
   イ.次のような副詞及び連体詞は、原則として漢字で書くこと。
    (例)必ず 少し 既に 直ちに 甚だ 再び 全く 最も 専ら 余り 至って
       大いに 恐らく 必ずしも 辛うじて 極めて 殊に 更に 少なくとも
       絶えず 互いに 例えば 次いで 努めて 常に 初めて果たして 割に

     ただし、次のような副詞は、原則として仮名で書くこと。
    (例)おって かつ したがって ただし ゆえに ところが ところで また

     ただし、次の語は、原則として漢字で書くこと。
    (例)及び 並びに 又は 若しくは

  ③ 仮名遣いは、原則として「現代仮名遣い」(昭和61年7月1日内閣告示第1号)による
   こと。

  ④ 送り仮名は、原則として「送り仮名の付け方」(昭和48年6月18日内閣告示第2号)
   によること。

   規約・規程を作成する場合は、単に「わかればよい」ということではなしに、上に示したよ
  うな基準にしたがって規約・規程全体の体裁を整えるように努力すべきである。しかし、それ
  ぞれの業種に特殊な専門用語や技術用語については、それらをすべて上記の基準に当てはめて
  使用することは難しく、無理に他の用字に置き換えては、かえってその意味が不明瞭なものに
  なることがあろう。したがって、そのような場合は、例外的にせよ上記基準外の用字を使用し
  ても差し支えない。また同意語や似た意味のいくつかの用語例のあるものは、できるだけこれ
  を整理統一して使用することも肝要である。

 (8)用 語
   法令用語には、特殊な言いまわしが用いられることがあり、規約・規程においても、そうし
  た用語法を用いることがあるので、通常使用されると考えられるいくつかについて、以下にそ
  の意味を明らかにする。

   ①「・・・・ものとする。」
    一定の方針を示すために用いる。この表現には「・・・しなければならない。」という
   義務づけがないわけではなく、時によってはこれと全く同義語として使われることもある
   (「弁明する機会を与えるものとする。」)が、一般的にはある種の含みをもたせつつ、
   原則とか方針を示すという意味が強い場合に多く用いられる。(「持分の算定に当たって
   は、10円未満の端数は切り捨てるものとする。」)

  ②「・・・とする。」
    特定の効力を与えるために用いる(「役員の任期は、次のとおりとする。」)。例えば
   中協法第4条において「組合は、法人とする。」という場合、この規定の意味は「組合に、
   法人としての法律上の人格を与える。」ということであり、ここでの「・・・とする。」
   という用語は、特定の効力(法人格)を与えるという含みをもった説明語として用いられ
   ている。このように「・・・とする。」という用語は、創設的意味をもつものであり、単
   なる事実の説明に止まる「・・・である。」という表現とは異なる意味をもっている。

  ③「・・・することができる。」
    一定の者に、特定の行為をすることができる権能を与える旨を示す用語であり(「組合
   員は、90日前までに予告し、事業年度の終わりにおいて脱退することができる。」)、
   その機能(この事例の場合は脱退という権能)を行使するか否かはその者の裁量に委ねら
   れる。「・・・する。」が、その者の意思いかんにかかわりなく、特定の効果を発生させ
   る(「組合員は、左の事由によって脱退する。」)ために用いられるのとは異なる。

  ④「この限りでない。」
    この表現は、「ただし、・・・この限りでない。」というように、ただし書きの述語と
   して、本文の規定の除外例を示すために用いられる(「加入の承諾を得た者は、遅滞なく
   その引き受けようとする出資の全額の払込みをしなければならない。ただし、持分の全部
   又は一部を承継することによる場合は、この限りでない。」)
    この表現を用いる場合は、どのような意味で「ただし、・・・この限りでない。」なの
   か、解釈適用上誤解の生じないように、主条文の適用規定及びその条件を明示しなければ
   ならない。なお、この表現は、単に消極的にその前に出てくる規定又は文章を打ち消すだ
   けのものであって、それ以上に積極的に何か新しいことをいうものではない。したがって、
   その用い方に注意しないと、「この限りでない。」という用語で打ち消された後のことが
   らについて、条文のいわんとするところがあいまいになる可能性がでてくる恐れがある。

  ⑤「・・・妨げない。」
    「妨げない。」又は「妨げるものではない。」という言葉は、あることがらについてA
   という規定が設けられた結果、そのことがらについて本来適用されていた、他のBという
   制度や規約の規定が排除されることになったのか、それとも依然として適用されるのか若
   干疑問があるという場合に、依然として当該のBという制度となり、また規約の規定なり
   が、そのことがらについて適用されるのだということを表すのに用いられる。この用語も
   消極的に、ある制度又は規定の適用があってもよいということをいってるだけで、積極的
   に、こうでなければならないということを表すほどの意味はない(「現物出資者は、第1
   回の払込の期日に、出資の目的たる財産の全部を給付しなければならない。ただし、登記、
   登録、その他の権利の設定又は移転をもって第三者に対抗するため必要な行為は、組合成
   立の後にすることを妨げない。」)

  ⑥「・・・を準用する。」
    「準用する。」とは、特定の事項について定められている規定を、その事項とは性格の
   異なる他の事項について適用するということで、場合によってはもとになる規定の一部に
   修正を加えた上で、準用することもある。しかし、組合の規約・規定においては、当該規
   約の理解を容易にし、解釈上の疑義を避けるためにも、ある程度の重複はいとわずに、で
   きるだけ条文の準用は避け、同一内容の条文であっても、改めて規定する方がよいであろ
   う。

  ⑦「・・・の例による。」
    この表現は、ある特定の事項について定められている規定の内容を、そのまま他の場合
   に当てはめて適用するというときに用いるもので、「・・・を準用する。」とほぼ同意義
   である。
    ただ「準用」と異なる点は、「準用」の場合には、そこに示された規定のみが対象とな
   るのに対し、「・・・の例による。」の場合には、そこに示されている一定の手続なり事
   項なりが包括的に、その場合に当てはめられて適用されるということである。

  ⑧「及び」と「並びに」
    A・B二つの名詞などがある場合にこれを併合的に並列する場合は、AとBの間に「及
   び」をおいて用い(A及びB)、三つ以上の併合的意味をもつ名詞などを、同一の意味の
   叙述において並列するときには、並べられた名詞的語句のうち最後の語句だけを「及び」
   で結び、その前におかれる語句は読点「、」でつなぐ(A、B、C及びD)。更に、並列
   される語句の間に段階のある複雑な文章では、大きな意味の併合的連結には「並び」を、
   その大きな意味にまとめられた中で並列されている語句のつなぎには「及び」を用いる
   (「A及びB並びに甲及び乙、「理事及び監事」、「理事長、副理事長及び専務理事」、
   「可決、否決の別及び賛否の議決権並びに賛成した理事の氏名」、「会議の目的たる事項
   及びその内容並びに日時及び場所を記載した書面」)。

  ⑨「又は」と「及び」
    「又は」と「及び」では、前者が選択的接続詞であり、後者は併合的接続詞であって、
   両者の意味が異なることはいうまでもないが、実際に使用しようとする場合、そのどちら
   を使用すべきが迷うことが多い。まず英語の「and、(or)」に当たる場合、すなわ
   ち「又は」と「及び」の両方の意味を与えようという場合には、原則として「又は」が用
   いられる。次に、AもBもCのことをしてはならないという場合に、「A及びB」と書く
   か、「A又はB」と書くかは、結局は語感によって決するほかはないが、AとBを抽象的、
   包括的にとらえようとする場合は「A又はB」ではなく「A及びBはCのことをしてはな
   らない。」とする例の方が多いようである。特に「AもBもC又はDのことをしてはなら
   ない。」という場合は本来、

 

 

   という関係であるが、この場合に「A又はBは、C又はDのことをしてはならない。」と
   すると、「AはCのことをしてはならないし、BはDのことをしてはならない。」という、

 

 

   の関係にとられるおそれがある。そこで前者のような関係を規定したい場合には「A及びB
   は、C又はDのことをしてはならない。」とする方が適当となる。

  ⑩「又は」と「若しくは」
    これらの接続詞は、AとBを選択的に並列させようとする場合に用いるが、両者の違いは
   「及び」と「並びに」の関係と同じように、並列させようとする字句の間に段階があり、そ
   の大きな語群を選択的に連結する場合には「又は」を、その大きな語群の中の小さな選択の
   時には「若しくは」を用いる(「法又は定款」、「事業の全部又は一部を休止し、若しくは
   廃止したとき」)。なお、選択的連結法が二段階以上になるときは、小さな連結である「若
   しくは」を重複して用いるが、併合的連結の場合は、大きな連結である「並びに」を重複し
   て用いる(「組合の事業の範囲外において、貸付をし、手形の割引をし、若しくは預金若し
   くは定期積立の受入れをし、又は投機取引のための組合の財産を処分したとき」)。

  ⑪「あるとき」と「かつ」
    上記の他に条文等において使用されると思われる接続詞に、「あるいは」という用語があ
   るが、これの用法は必ずしも一定しておらず、「若しくは」と「又は」で表現できない大き
   な選択的連結を、表現するために用いられることもあるが、一般的にはあまり用いられない
   ようである。なお、その他にも併合的連結の用をなすものに「かつ」という用語がある。こ
   れは明確な意味をもって用いられ(「及び」、「並びに」と類似した意味でも用いられるこ
   とがあるが)、A、B2つの連結される語が、互いに密接不可分であって、2つの語を一体
   として、はじめてある意味が完全に表されるというような場合に、その後の語感から「かつ」
   が用いられる。また、主として「かつ」の前後の2つの語句の連結に重点がおかれる場合に
   も用いられる(「資本の額又は出資の総額が1億円を超え、かつ常時使用する従業員の数が
   3百人を超えたとき」)。
    その他にも接続詞が多々あるが、ここでは組合で使用される度合いの多いと思われるもの
   にとどめることとする。

  ⑫「者」、「物」及び「もの」
    これらの用語の用い方としては、まず「次に掲げる者」、「該当する者」などのように、
   法律上の人格を有するもの(自然人及び法人)を対象とする場合に「者」を用いる。
   次に「物」は、「者」すなわち人格のある者を除いた、いわゆる有体物を総括する語である。
    「もの」は、者又は物では表現できない抽象的なものを表す場合及び人格なき社団等を表
   現する場合に用いられる。ある特定の者又は物を限定的に説明する際に、例えば「何々であ
   る者であって何々に該当するもの」のように用いる。

  ⑬「場合」、「時」及び「とき」
    「場合」は、「疾病により欠勤3日を超える場合」とか、「前条の示す場合」などのよう
   に、仮定的条件又は既に規定された事例を引用して、包括的条件を示すものとして用いられ
   る。
    「時」は、ある時点を瞬間的にとらえて表現する場合、例えば「……を受領した時、効力
   を発する。」というような場合に用いられる。
   「とき」は、不特定の時などにあらわし、「場合」と類似した意味にも用いられる。
    「とき」と「場合」を同一条文内に用いて条件をあらわす際には、大きな前提条件を「場
   合」、小さな前提条件を「とき」で示す。(「組合は、前項の請求がある場合において、変
   更の必要があると認めたときは」)。

  ⑭「推定する。」と「みなす。」
    これらの用語の用い方は、当事者間に取り決めのない場合とか反対の証拠がない場合に、
   ある事実について、定款、規約・規程自らが一応「かくであろう。」という判断を下す場合
   が「推定する。」であって、異なるものを他のものと認定してしまう場合は「みなす。」を
   用いる(「債権者が、前条第2項の一定の期間内に意義を申し出なかったときは、〇〇の金
   額の減少を承認したものとみなす。」)。

  ⑮「以上、以下」と「未満、超」
    「以上、以下」の用法としては、例えば「10万円以上」とか、「50万円以下」あるい
   は「9月1日以前1ヵ月」とか「公布の日以後」というように数量的又は時間的比較をする
   場合に、「以」の字をつけて表現すると、起算点になる数量なり日時なりを含むことになる。
   すなわち「10万円以上」は、10万円を含み、「9月1日以前」といえば、9月1日を含
   むことになる。
    逆に起算点を含まないように表現するには、「10万円を超える金額」、「50万円に満
   たない金額」あるいは「9月1日前1ヵ月」とか「公布の日の後10日」という表現をする。
   これらの場合、「10万円を超える金額」には、10万円は含まれないし、「10万円に満
   たない金額」にも、10万円は含まれない。

 

(9)期間計算
   規約・規程において期間の定めをした場合に、特にその期間についての計算方法を定めなけ
  れば、一般的な計算の方法として民法に規定される通則にしたがうことになる(民法第138
  条~第143条)。

  ①時をもって定める場合
    この場合には、期間は即時から起算し(民法第139条)、所定の期間の終わった時点
   を以て終了する。例えば、「午前9時から3時間」と定めたときは、その3時間の期間は
   午前12時に終わる。

  ②日、週、月、年をもって定める場合
    この場合には、特約しない限り日の端数を加えない。すなわち、期間の初日は算入しな
   いで翌日から起算し(民法第140条)、末日の終了をもって期間は満了する。したがっ
   て、「引渡しの日から6日間」と規定されていた場合のその期間は現に引渡した日(例え
   ば7月10日)は計算に入れず、7日目(16日)の午後12時に満了したことになる。こ
   のことから、初日も算入したい場合には、その旨を判然と明文化しておかなければならな
   い。
    月又は年で期間を定めるときは、月の大小や年の平均を無視して暦にしたがって計算し、
   最後の月又は年において起算日に応答する日を定め、その応答日の前日を末日とする(民
   法第143条)。
   すなわち、前例の場合「引渡しの日から5ヶ月間」といえば起算日である7月11日の属
   する7月から数えて5ヵ月目の12月の応答日である12月11日がその日に当たり、満
   期日は、その前日の12月10日ということになる。この場合は、その間にある月の大小
   は一切考慮に入れなくてもよい。
    なお、最後の月の応答日がないときは、最後の月の末日を満期日とする。例えば、起算
   日が9月30日で、それから5ヵ月という場合は、5ヵ月目である翌年の2月30日が、
   最後の月の応答日となるが、この場合応答日は存在しないのでその月の末日すなわち2月
   28日あるいは29日がその満期日となる。
    また期間の末日が祭日、日曜日その他の休日に当たり、その日に取引をしない慣習があ
   るときは、その翌日を満期日とする(民法第142条)。したがって、国民の祝日や正月
   三箇日の休日などが満期日となるときは、その満期日は、これらの休日の翌日まで延長さ
   れることになる。

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