(9)金融事業について

Question

中協法による協同組合(以下「組合」という。)が、「組合員に対する事業資金の貸付(手形の割引を含む。)」の事業を行うために、必要な資金を組合が増資する名目で一定の額(1口1万円)に達するまで日掛又は月掛の方法により預り金として受入れ(受入勘定科目「増資引当預り金」預り期間1年、支払金利は定期積金方式に準ずる)て調達すること、又は組合員から借受証券により借入れて(支払金利についての約定はしていないが年6%を予定している)調達することは組合員よりの消費貸借と理解されるので、中協法第9条の2第1項第2号に規定している「及び組合員のためにするその借入」に違反するものではないと解してよいか?

Answer

組合が、「組合員に対する事業資金の貸付(手形の割引を含む)」の事業を行うために必要な資金を、増資の名目で受入れ出資金として貸付けることは貸付金が回収不可能となった場合等において増資をするために預り入れている組合員に不測の迷惑を及ぼすおそれがあり、ひいては増資の目的を達成し得ないこととなるので適当でない。
しかし、単に増資するまで経理を区分して日掛又は月掛の方法により組合が受け入れることは差支えないが、これに対し組合員に金利を支払うことは預金の受入れとなると解する。
法第9条の2第1項第2号の規定の趣旨は、組合員に対する事業資金の貸付事業と組合員に貸付けるための事業資金の借入れを認めているのであり、組合がその行う共同加工施設の設置等の共同事業のために資金を借り入れる場合は本号に規定する資金の借入れには該当せず、その附帯事業として当然認容されるものであり、本号はあくまでも組合員の事業資金の貸付のために必要な資金の借入事業を認めているのである。
また、その借入先を特定しているものではなく、その必要な資金を銀行その他の金融機関に限らず、組合員からも借入れることによって実質的に預金の受入れになることまでも認められるものではない。(34-33)

徳島県中小企業団体中央会

〒770-8550
徳島県徳島市南末広町5番8-8号
徳島経済産業会館 KIZUNAプラザ 3階

TEL:088-654-4431 FAX:088-625-7059

中央会周辺地図はこちら