(5)脱退予告をした組合員への経費の賦課と配当について

Question

ある組合員から、事業年度の途中で文書により脱退したい旨の通知がありました。その後、その組合員は組合の共同事業を利用しなくなったのですが、本年度の残りの経費(賦課金)の請求をしてもよいのでしょうか。
また今年度は、かなりの利益計上が予想される状況にありますが、来年度の通常総会において、配当する旨の決議がなされた場合は、その組合員にも配当できるのでしょうか。

Answer

組合員は、その年度の90日前までに予告することにより、組合を脱退することができますが、脱退の時期は事業年度末とされています(中小企業等協同組合法第18条)。このように脱退の時期を事業年度末に限定したのは、脱退による持分の払戻しにより組合事業計画が遂行できなくなることを防止する等の主旨からですが、いずれにしても、廃業等による組合員資格の喪失(法定脱退)でない限り、事業年度末までは他の組合員と同様に組合員としての権利・義務を有しているわけですから、仮に共同事業を利用しなかったとしても、年度中に賦課される経費を免れることはできません。
したがって、組合は残りの経費を請求すべきです。
請求しても、なお組合員が経費を支払わなかった場合は、組合は脱退に際しての持分の払戻しを、経費の支払いが完了するまで停止することができる(中小企業等協同組合法第22条)ほか、更に民法第505条の規定により、払戻すべき持分と未収の経費を相殺することも可能です。
また、事業年度末に脱退した組合員に対する配当については、その源泉である剰余金は、その組合員の脱退した日が属する事業年度において生じたものですので配当することは可能であると考えます。(90-2-1)

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